今は年長児に芭蕉の俳句を紹介しています。全員で黙想し、声をあわせて俳句を朗唱します。今週は子どもたちが作った俳句を皆の前で紹介しました。一人が作ると「ぼくも、わたしも・・・」となるのが子どもたち。自分で紙に書いて出す子もいれば、お母さんや先生に代筆してもらう子もいます(後者が大半)。

芭蕉や一茶の俳句を声に出すだけだとさすがにマンネリ化しますが、子どもたちの俳句を紹介すると、これが新たな刺激にもなります。ということで、作った子もそうでない子もみんなが楽しそうな表情で俳句の時間を終えることができたように思います。今一番大事にしているのが(そして最後まで大事にしたいのが)、この「楽しい空気」です。

帰りのグループによっては、年長児の俳句をなぜか?年中児が声に出すこともあり、驚かされます。年長児が山道を下りながら、得意げに俳句を朗唱するのを横で聞きながら、自然に覚えるわけです。

だからといって、年少、年中クラスでも俳句を教えるつもりはありません。

楽しいと感じる子もいれば、そうでない子もいると予想されます(これは私の直感です)。そして私はこの直感を大事にしたいと思います。年長になった証として、子どもたちは「俳句を学ぶ」時間に誇りをもっているのであり、私はその伝統を守りたいと思います。

同じ考えで、小学校に入ってから学ぶことは、本園は以上の考えあって何も教えません。

ご家庭で先々の事を教えていただくことは一向差し支えないと思いますが、それでもできれば「小学校に入ってからのお楽しみ」と言って、お預けにするほうが、入ってから生き生きと学ぶと考える自由があってもよいと思います。

学校での学びは10年以上続きます。一番大事なことは、先生のお話をわき見せずに聞く姿勢です。これは、私が幼稚園時代に、当時の園長先生(私の父)が繰り返し話してくれた内容であり、今も私が年長児に伝えている事です。

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